閑話休題 勝新篇

2014年04月21日(月)18 : 08 : 04
白影さんとはまた別の日です。
ディレクターチェアーに座った勝新太郎さんが
撮影風景を見ながら、左に立つ 店長 ♪ へ
「芝居うめえな」 と声をかけてきた。

下っ端のぺーぺーのセリフの無い
顔すら映らない演技を褒めたのだ。
だいたいそのカットに出演していたのが
店長 ♪ だと分かるはずもないのだが、
遠目に良く見ていたものだと感心した。

今と違い撮影は押して当たりまえの時代で、
昼から待ちに待って日が変わる寸前の時間で、
スタッフも勝新も大部屋役者もクタクタだった。
何度も何度も録り直しながら納得のゆくフィルムを
残してゆく。

そんな中 店長 ♪ のカットは、
遊郭の二階座敷の障子に、
女性と絡みながら床にふせてゆくシルエットを描くだけの
たいしたシーンでもないから、スタッフが着物を引っ掛けて
やったって分からないだろう。
とは思うものの、監督が勝新ときたら話は違う。
少しでも情緒の無い艶に欠ける事をしようものなら
朝まで引っ張られることになる。
焦りからか女性の動きが早いので
ゆっくりゆっくりと声をかけ両腕で女性の動きを制しながら
左右入れ替わり絡まりながらゆっくり倒れ込む。
演じる側には情緒も何もないが、
見る者のイマジネーションを歓喜させるような影を拵える。

OKの声がかかり
次のシーンを勝新さんの横で待っていたところ
そう云う声がかかって、よく見てるなと驚いた次第だ。
遠目で見ていたシルエット と 店長 ♪ を同一視した
感覚の鋭さが刃のような役者だった。

後ワンシーンまた別の日の勝新太郎さんのお話を続けましょう。

ほんだらまた。
芸能論のたまう | Comments(2) | Trackback(0)
Comment
Re: No title
おはようございます。

すごくもなんともないです。
そこからチャンスをつかんでゆく人が凄い人なんだと思う。

店長 ♪ には、それが無かったです。
良いか悪いか、人生のもう少し後で分かるような気がしています。
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