着信

2009年10月12日(月)18 : 23 : 44
未だワン切りがあるのかと放置していた着信。

数十秒おき、数分おき、十数分おきの着信履歴を見て、ワン切りと判断してもいいだろう。
が、コールを何回したのかはリアルに着信に気づかなければわからない事だ。

数日前にもその前にも何度かの着信を放置。
本日も放置。
夜、家の電話が鳴り嫁が取り次ぐ、
聞きなれた声が受話器から聞こえた。

役者を志し上京した友からだった。
物怖じしない明るさが今まで挫けない心を支えている。
10年くらい前に結婚した。

その頃、店長は思い付きで朝コイデカメラへ電話し見学の許可を得、
その日の午後にはコイデ川越店にいた。
途中コイデ本部のある阿佐ヶ谷から友人へ電話した。
が、タイミング悪く奥様のお父様が交通事故にあう不運に見舞われ会う事が出来なかった。

その後も、何かと心にとめていたが沙汰がないのが元気な証拠、
と決め込み季節のあいさつ程度になっていた。
釣りバカ等の銀幕ではたまに見かけていたこともあったし。
義父は残念ながらその時に他界した。

この時の携帯番号が今は変わっており今の番号がわからなかった次第だ。
それで、申し訳なくも今回何度も何度もコールし続けたのに
受話器を取ることも返信することもしなかったのだ。

物怖じしない彼と撮影所に入るのは楽しかった。
彼は、ある日撮影所の大部屋で、店長が持っていた弁当の半分を分けて貰ったという。
店長は覚えていない。
そして店長が役者を辞めてから、
貧している様子の彼にカメラとフィルムとパチンコで勝った半分の金額を送ったらしい。
記憶はあるが鮮明では無い。

今、国分寺戸倉に住む彼の今までにない沈んだ声を初めて聞いた。
売れない事にではなく、金の無い事も大きな理由では無く・・・
いつもどんな時も支え仕え励ましてくれた人の痛みと、向きあっている為だ。

40歳そこそこ余命半年。
手術し宣告を受けてから1年。
彼はせっかくのレギュラー出演も断らざるおえず。
堅実な彼女が貯蓄していたお金で家賃の安い家へ引っ越し、
今後の事態へ備える。
もう一度手術をするらしいが、それに耐えなんとか治癒へ向かう事を祈る。

彼は悔しそうに「結婚してよかった。こんないい人はいない。
何で僕ではなく彼女が苦しまなければならないのか」と、
店長には言葉もなく助ける術もない。
それでも小1時間話していた。

この局面に際し心は疲弊している。
あの屈託のない元気な奴がと、人の人生の脆さ不公平さをみる。

今日は幼稚園の運動会の撮影。
委託したカメラマンを案内し、
明るいざわめきに耳を伏せ、
澄み切った青空を恨めしく眺めた。

いや!「結婚してよかった」と言い切った彼は素晴らしいんだ。

ほんだらまた。
芸能論のたまう | Comments(0) | Trackback(0)
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